「本当は次の授業が始まるまで教室に入っておけばいいわけ」
それなのに早々と教室に入ってくのは一秒でも多く勉強したいから、か・・・・・・・。
「ま、あの集団にいきなり入って今から医学部目指します、ってバレたら居心地悪いかもよ?」
「どうして?」
それぐらい分かるだろ・・・・・・・
「そりゃ、自分たちは今までコツコツ努力を重ねて学力をつけてきた。それなのに受験間際にポンと出てきて医学部目指します、なんて宣言してたら面白くないでしょ?」
やっぱり・・・・・・・
「じゃあバラすか?碧琉」
コイツぜってぇ楽しんでやがる。
「あ、そうそう。自習室って知ってる?」
「「知らない」」
「そこ」
指を指した方向を見ると自習室と書かれたプレートが貼り付けてある教室があった。
「とってる授業以外で空き時間があったらあそこで勉強してていいの。空いてる先生もいるから質問もできるし、ここの塾の魅力は自習室担当の先生がいるの」
へ~・・・・・・
じゃあ何があっても一人はいるって事か。
「ま、後は頑張って」
お姉さんから視線を外すと先程のエリート集団の入っていった教室をみた。
まだ先生が入ってきてもいないのに真剣に勉強をしている。
俺、ついていけんのかよ・・・・・・・


