命が続く限り




「どうしたんですか?先輩」


「ん、なんでもない。ちょっとだけこのままで」


大丈夫。


大丈夫、ちゃんと生きてる。


いまこうやって彩羽の鼓動がちゃんと聞こえる。


無意識に力がこもった俺に応えるように背中に腕がまわってきた。



「大丈夫ですよ。私さっきまで保健室にいたんです。でも待ちきれなくてさっきここに来たばかりですから」


「何分ここで待った?」


「そんなに待ってませんよ」


「何分?」


「・・・・・・・・30分くらい?」


「バカ・・・・・・」


待ちすぎだ。



「でも、久しぶりに登校してきたんで今日は先輩と一緒に帰りたかったんです」


「次同じことしたら許さないから。そういう時は連絡いれて」


「はい」



心配性な俺にクスクスと笑っている彩羽の唇を奪った。



「・・・・・冷たい」


「もっとあっためてください」



だから誘惑すんなって。