本日も何事もなく授業を終え、昨日同様教室に残されていた。
「さ、お前ら昨日なんか考えてきたか?」
「考えるもなにもこれからを一晩では無理だって」
「本当にそうか?ちゃんと考えたんだろ?言ってみろよ、拓海」
「え、俺!?えーと・・・・・じゃぁ・・・・・・」
ひと呼吸置くと顔付が変わった。
「俺、スポーツインストラクターになりたい。そのことを学べる学校に行きたい」
「志望校は?」
「マジで言いたくないんだけど、T専門学校のスポーツインストラクター科」
「ほほぉ~、ちゃんと見たんだな。お前願書受付が明日までって見たか?」
「ん、だから今素直に言ってんだよ!」
あんなに遊び呆けてた拓海がちゃんと考えて来ている。
この様子だと親にもちゃんと話してきたのだろう。
「じゃあ次は碧琉な」
「俺は・・・・・・」
昨日そんな深くは考えていない。
でも元々深く考える必要はなかったのだ。
考えるもなにも俺はとっくに決めていたんだ。
ただそこから目線を離して見てこなかった。
もし出来なかったら、と考えるのが嫌だった。
でも今決めた。


