命が続く限り





本当に1週間が経とうとした前日。



彩羽と2人きりの時だった。



「話しかけたら返事返ってくるかもな」



なんて恐怖話っぽく言った兄貴の台詞に忠実っぽくその日あったどーでもいい話を彩羽に話しかけていた。



「今日さ、寝坊して遅刻したんだ。そしたら土井ちゃんにめっちゃ怒られた」



なんてどうでもいい話から始めていると突然彩羽の目からひと筋の光りが零れおちた。



泣い、てる・・・・・・・?



『何かしなくちゃ』というよりも『何かしたい』という思いが勝っていた。



自然と彩羽の目元に手が伸びた。



涙を掬い上げると、そのまま頬に触れた。



「何がそんなに悲しいんだよ」


「・・・・・・・」


「言ってくれなきゃ分かんないって」


「・・・・・・・」


「なんか言ってくれよ、頼むから」


「・・・・・・・」



何と話しかけようと返答は一切返ってこなかった。