10時間後______
手術中のランプが消え中から出てきた彩羽の顔は真っ青だった。
「彩羽・・・・・!」
「彩羽ぁ~・・・・・・」
泣きながら彩羽に近づく母と伊丹夏那。
「一段落はもう大丈夫です。我々は最善を尽くし、手術には問題はありません。後は彩羽ちゃんの体力次第です」
兄貴の説明は余所に、部屋に運ばれていく彩羽とそれに付いていてく2人。
兄貴の話を聞き残ったのは男だけだった。
「多分今夜中に目は覚まされないでしょう」
目、覚まさないのか・・・・・・・・
「2人共遅くまでありがとう。もう時間も遅いし夏那ちゃんを送っていってもらってもいいかな」
「はい」
返事をしたのは拓海だった。
「彩羽の顔、少し見ていってもいいですか?」
「あぁ、勿論だよ」
3人で彩羽の部屋へ向かった。
ベッドで眠っている彩羽の顔は、まだ真っ青だった。
本当に目が覚めるのか不安を誘われたまま俺達は帰ることにした。


