命が続く限り




手術室へ入って6時間後、中から真っ青な服を身にまとった女の人が現れた。


「ご家族で彩羽さんと同じ血液の方いらっしゃいますか?」

「僕は全く同じです」

「娘は?大丈夫じゃないんですか?」

「大丈夫ですよ。こっちが想定していた血の量より必要になってしまっただけですから。ではこちらに」


奥さんを残して看護師の人と中へ消えていった旦那さん。



旦那さんは10分程度で中から戻ってきた。



『先輩______』



え________?



『碧琉先輩______』



彩羽・・・・・・・?







聞こえるはずのない彩羽の声がどこからか聞こえてきた。





お前、頑張ってるんだよな?





ちゃんと戻ってくるよな?





もういいや、と思ってないよな?





外ではこんなにもお前のこと待ってる人たちが祈ってるから。




ちゃんと戻って来いよ、彩羽。