命が続く限り





彩羽が手術室へ入っていった後、扉の外の空気は凄く重かった。



兄貴はまだ間に合うと言っていたが、先程までの彩羽の体力はものすごく弱っていた。



起き上がるのも凄くしんどそうで寝たきりで会話が当たり前になっていたのだ。



そんな姿を見ていると、いくら兄貴が心配ないと言っていても心配してしまうのだ。



「彩羽・・・・・・」



扉が閉まると同時に祈るように名前を呟いた伊丹夏那。



きっと誰もがやりたかったことをやってくれた伊丹夏那に若干感謝した。



彩羽が手術室へ入っていって5時間後、急に騒がしくなった。



何人もの人が出たり入ったり。



「なぁ、彩羽ちゃん遅くないか?」


「あぁ」


5時間もかかるなんて聞いてない。



「あなた・・・・・・」

「大丈夫だよ」



旦那さんに寄り添う奥さんの肩を摩ってお互いで支えあっていた。



頼むからまた帰ってきてくれ_______・・・・・・