「彩羽の手術代を出してくれたことは心から感謝してます」
突然真剣に切り出した俺に驚いている2人。
「どういう結果になろうともお金は返すつもりでした。卒業までには就職探ししますんで「ちょ、ちょっと待ってくれ」
俺なりの誠意を伝えていると、お父さんに止められてしまった。
「あの話は本気だったのかい?」
あの話とは、彩羽が手術を決意した次の日の話のことだろう。
「勿論」
「私達はてっきりその話は流れたと思ってたわ」
「あぁ、別に私達は手術を反対していたわけじゃない」
確かに反対はしなかったが・・・・・
「元々手術は彩羽の中学2年生の時に受けるつもりだったからお金は用意出来ていたんだ」
え、そうなの?
「でも彩羽からは倒れたって聞きましたけど・・・・・・?」
「あぁ、それは・・・・・・。お恥かしい話でね、仕事に夢中になって資料に目を通しながら階段を下りていたんだ」
「もしかして階段から落ちたとか・・・・・?」
「お恥かしい」
「あの時彩羽は家に居ましたものね」
「そういえばあの時のことあまり話していなかったな」
嘘だろ・・・・・・
全然聞いてた話と違うじゃないか。
「だから君は君でやりたいことをしてくれていいんだよ」
優しい笑顔を見せてくれる御両親。
俺の、やりたいこと_______


