「碧琉、この後予定は?」
靴を履き替えながら問い掛けられた。
「彩羽ん家に挨拶に行く」
「あぁ、今日で1ヶ月だもんな」
「まあね」
校門に向かって歩きながら会話を続ける。
「手術終わってしばらく魂なくて見てるこっちがハラハラしたわ」
まるで人形みたいだった、そう付け加えた。
「その節はご心配おかけしました」
「別にいいってことよ」
「じゃ、ここで」
校門を潜り家と反対方向へ行こうとする拓海。
「彼女とデート」
「は?お前彼女居たのかよ」
「まぁね」
「誰だよ」
てか早く言えよ、水臭い。
「まだ秘密。じゃあな」
とびきりの笑顔で去っていった拓海。
俺も東家に向かって足を向ける。
マジかぁ~・・・・・・
てかいつからだよ。
全然気付かなかった。


