クラスメート全員が帰ると、土井ちゃんが2つのファイルを持って帰ってきた。



「拓海、お前は就職向きだと思う。はっきり言ってお前は頭を使ってどうこうより思いついたら行動の方が似合ってる」



おぉ、流石担任。


よく分かってらっしゃる。



「碧琉、お前は逆に何かを学んでそれを応用して考える派だ。若い内に色々と学んでおいて損はないだろう」



自分のことをズバズバ当てられると逆に反応に困る。



「じゃあ俺は就職決定で」

「問題はそこじゃない」


だろうな。だったら今ここに俺達はいない。



「分類的に言ってしまえばお前は体力だ。でもそんな都合よく体力仕事がこの時期に残っている訳がない」


そーいえば運動バカが先に取っていくんだっけ?



「そこでだ、あえてお前も進学って道もある。思いついて行動するのにも知識は必要だ。
例えば思いつきで会社を建てようとしよう。それには金、人材、経営方法が必要だ。
何も知らないお前がいきなり会社を建てたとしよう。そして従業員は社長は何も知らないと知っていたらどうなる?」


「さぁ?やりたい放題?」


「そういうこと。陰で会社の金を横領しているかもしれない。でもお前は気づかない。なぜならお前は何も知らないからだ」



おぉ、現実突きつけてくれるねぇ~。



「そこでだ、2人共」


え、俺も?



「夢、やりたいこと、興味のあることはなんだ?そこから道を作るところから始めよう」