『はい、はい・・・・・。え______』
ガタ_____
『お母さん・・・・・?』
テレビから視線を外し、母親を捉えると受話器はぶら下がり、母親は崩れていた。
『どうしたの・・・・・?』
『お父さんが・・・・・・』
こんなにも動揺した母はあの時が初めてで最後だった。
『倒れたって・・・・・・』
この時初めて自分の運命は受け入れた。
私が運命に逆らうと両親の運命を変えてしまう。
死ななくていい2人が死んでしまう。
そんなのは絶対嫌だ。
その日からだ。
私が手術を受け入れなくなったのは。
そしてそのまま月日は流れ、随分と衰弱してしまった。