「そんなに大事ならどうして手放した」
紘輝の鋭い視線が碧琉に突き刺さる。
「どうして生きろと説得しない」
「言えるわけないだろ」
「発作を恐れて言わないで見殺しにするのか」
「うるさい」
「そんなに大事ならどうして俺から奪うと宣言しない」
「うるさい!」
「お前の愛もその程度だったんだろ?」
「うるさい!!」
「その年齢で生死の問題なんて重すぎて抱えきれねぇよな」
「黙れ!!」
「お前は本当はどうしたい?何がしたい?何が欲しい?」
「俺は・・・・・」
「お前の大事なものはなんだ?守りたいものはなんだ?」
「守り、たい・・・・・・」
後少しか・・・・・・?
「まぁお前にはないよな。芯がない、意思がない、感情がない。そんなお前に何ができる。何もできねぇよ」
「うるせぇ!!お前に俺の何がわかる!!!」
「分かんねぇよ。お前が大事にしたいもの、欲しいもの、お前以外誰も分かっちゃくれない。お前世界をなんだと思ってる?お前の思い通りになるわけがない」
「そんなこと!分かってる・・・・・・」
今まで乱れていた碧琉がシュンと静かになった。