「あれは言い過ぎじゃないのか?」
開けっぱなしのドアを見つめて紘輝先生が呟いた。
「そうですね」
ベッドから降りようとすると、先生に肩を押さえられ代わりに閉めてくれた。
「でも私的にはあれでよかったんです。通常通りに先輩と話すのがしんどくなってきていて」
身体を起こしているのもしんどい時がある。
「先生、タイムリミットでしょ?」
「君はまだ生きられる。だが、その道のタイムリミットが近づいている」
「こんな身体でもまだ手術が間に合うとでも?」
「そうだよ」
「私の意志は先生が一番よく知ってるでしょ?」
私の発作が怖くて説得できない両親に代わって先生が説得してくれた。
「今ならいい答えが聞けると思ってね」
ハハっと笑っているが彼なりにそれとなく聞いてきたのだろう。
先生はまだ諦めていない。


