「碧琉先輩、心配かけてごめんなさい。先生が出ていこうとしたので咄嗟に嘘ついちゃいました」


「ちゃいました、ってじゃあ具合は?」


「大丈夫です」



ごめんなさい、先輩。



今から先輩が傷つくと分かっていて嘘をつきます。



「彼と話してそろそろ先輩に打ち明けた方がいいと思って」


「は?彼って・・・・・」


「私の婚約者は、



________紘輝先生なんです」



「は_______?」


「ずっと黙っててごめんなさい。私、紘輝先生のこともっと知りたいと思って碧琉先輩と付き合ったんです。だから、先輩のこと好きって言ったこと忘れてください」


「意味わかんない・・・・・・」


綺麗な碧琉先輩の瞳が大きく動揺している。



「じゃあハッキリ言いますね。私、碧琉先輩のこと騙してたんです」


「そんなの嘘だ・・・・・」


「本当です。それでも私に会いたいなら明日からも来てくれてもいいですよ」


ニッコリと嘘の笑顔を貼り付ける。



「彩羽ちゃん、言いすぎ」

「ごめんなさい。紘輝さん」

「紘、輝、さん・・・・・?」

「あ、すみません。ついいつもの癖で」


これで私のこと大嫌いになったでしょ。


私が居なくなっても心にも留めなくなる。