「病院の先生してるんだもん、私のこと少しでも幸せでいてほしいって思ってるよね?」
「そりゃそうだけど・・・・・」
「ならお願い!最後のお願いだから!!」
両手を絡め、願いを乞うような目で紘輝先生に頼み込む。
「はぁ~・・・・・。わかった」
やった!
「でも最後のお願いにはさせないからな」
頭をクシャクシャと撫で、病室を出て行った。
先生が出て行く時に目が合ったが、困った笑顔しか返せなかった。
両親や碧琉先輩、誰よりも私の意思を分かっている紘輝先生にあんなことを言われてしまったんだ。
どんな顔をしたらいいのかなんて分からない。


