一時間という長蛇に並び、やっと中へ入れた。 「長かったね」 「そうですか?私は先輩と一緒だったので楽しかったですよ」 「俺も楽しかった、ですよ?」 ちょっと照れ顔で覗きこんできた。 「先輩、反則です……」 カッコよすぎだし、こっちが照れる。 「ん!」 スッと出された左手に自分の右手を重ねた。 「先輩の手、やっぱり大きいですね」 「当たり前。彩羽を守れなくなりますから」 今日の先輩はズルい。 ドキドキされっぱなしだ。