「見ました、よね・・・・・・」



余程見られたくなかったのだろう。



彩羽が目を覚ましてから一度も目が合わない。



「もう、私の体ダメなんです。数日前まで元気だったのに、症状が急に悪化してしまったんです」



感情を抑えて話している彩羽はずっと天井を見ていた。



「先輩の傍にも居られない。家に帰ることもできない。病院を出ることだって出来ない。もう私に自由はないんです」



彩羽の瞳からゆっくりと涙が零れ落ちた。



「彩羽っ・・・・・」