けれども何も、始まらない

《三》


理一さんと話をしてから数日が経った。その間にあったのは、テストの実施と結果の配布。大した勉強はしていなかったから、結果は散々なものだった。苦手な理科は再テストを受けなければならない。


先生から、高校生になったら赤点という評価が発生すると聞かされた。けれども、不安よりも何とかなるだろうという思いの方が強い。


そう言えば理一さんはどこの高校に行ったのだろうか。ボタンがどんなものか全く覚えていない。史倉(しぐら)市内の公立校はほとんどが学ランだから、理一さん本人か綾人にでも訊かなければ判らない。


進路はまだ決まっていないが、理一さんがどこの高校に進学したか、出来たら知っておきたい。


と、そんな感じで、俺は普通に生活をしている。


ある日、俺の日常は唐突に終わりを告げた――なんてことはなかった。


理一さんが言った通りだった。クラスメイトが奇妙な生物と戦っているのを見掛けることはなく、俺が選ばれた存在だと告げる人もなく、今までと変わらない日常を過ごしている。


少しは期待していたが、当然かという諦めの気持ちが多い。