けれども何も、始まらない

「やっぱり、集まる所には集まるんですね」


「そりゃそうだろ。というか自分と違う意識価値観もつ奴と友達になりたいって――いや、違う。周りに思われたくないだろ、変な奴らだって」


その通りだ。例えば、虐められているクラスメイトがいて、そいつが何かと戦っているのを見掛けるとかした場合、俺なら話し掛けてみようと思う。出来ることなら、関わりたい。


だが、学校にいる時も一緒に行動したいかと訊かれれば、嫌だと答えるだろう。相手が孤高の美人とかならそれはまた話は別だが、現実はそう綺麗なものではない。大抵そういうタイプはブスだ。そうでなくとも恋愛対象には入らない容姿だ。そんな奴と友人がいる前で一緒に過ごしたいとは思わない。


言ってしまえば理一さんはそのタイプだ。男に使う表現ではないかもしれないが、理一さんには花がない。能力者であることを知らなければ一緒にいようと思わない。というか、見下している。


だから俺には――


「そう、無理だ。自分から変わらなければならない、って言葉はよく聞くけど正しくその通りで、否応なしに巻き込まれて変わらなければならない状況ってまずないから。勿論俺にそんな力はない。となれば自分からだけど、それが無理だから諦めるしかないな」