「じゃあ、綾センパイは……俺のことが、好きなの?」


「は……?」



予想外のことを聞かれて、思わず顔を上げてしまった。


光太は赤い目をして、真剣に私を見つめてくる。



「す……好きじゃなきゃ、付き合わないよ」


「そうじゃなくて。もっと、ちゃんと言ってよ。

俺、センパイに好きって言われたことない」



そう……だっけ?

言葉にしたこと、なかったっけ。


なんでだろう。

私が光太を好きなのは、私の中で当たり前だったからなのかな。


そっか。
言ったこと、なかったんだ……。


改めて言うとなると、ものすごく恥ずかしい。

そしてものすごく勇気がいる。