ボールを触らなくなった光太の手は、前より少し柔らかかったけど。
温かさは変わってなくて、涙が出そうになった。
私の鞄を取って、歩きだす光太。
繋いだ手の感触を心に刻みながら、私も隣りを歩く。
鹿島くんにあとで謝らなくちゃ。
あと心配かけた忍くんと、みちるにも。
そんなことを考えても、
考えた端からシャボン玉の泡みたいにふわふわ浮かんで消えて行く。
残るのは目の前の、光太だけ。
やがて頭の中は、光太のことだけになっていった。
「綾センパイ」
「うん」
「俺、センパイと別れたいなんて思ってない」
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