病室の窓からは、沈む夕日が見える。


もう何度ここで、この景色を見ただろう。

数えてないけど、飽きるくらいなのは確か。


茜色に染まった、元は白い部屋。


ベッドの上で静かに待っていると、

傍らに立った人が、読んでいた手紙をおもむろにびりびりと破き出した。



あーあ、ひどい。


真剣に書いていたのに。

破くことないじゃん。


そう言おうと思ったけど、相手がひどい泣き顔だったから言えなかった。



「なんだよこの手紙! 縁起でもない!」



これでもかってくらい細かく破いて、それをベッドの上にまき散らした光太は、袖で涙をぬぐって私を睨んだ。