僕らの明日の話をしよう





3月の卒業式に、綾センパイの姿はなかった。

卒業生の列に、あのいまにも折れそうに細い、頼りなげな後ろ姿はなかった。


みちる先輩はいたけど、めちゃくちゃ泣いてたけど。

その横にいるはずの綾センパイだけがいない。



卒業式では会える。

やり直したいって言うチャンスはある。


そう思ってた俺は、どん底に突き落とされた気分だった。



鹿島先輩たちバスケ部の3年生を胴上げするのに、外で待機していた俺は。

生徒玄関前で最後の別れをする卒業生たちをぼうっと眺めていた。



泣いたり、笑ったり。

写真を撮り合って、抱き合っている卒業生たちに

そこにはいない彼女を重ねていた。



でも、その向こうに見つけた。


桜の花びらが舞い散る門。

そこから出て行く、見覚えのある後ろ姿を。