慌てた鹿島先輩にはがいじめにされたけど、俺は引き下がりはしなかった。
簡単にあきらめられるものなら、とっくにそうしてる。
わざわざこんなとこまで来てない。
ムリなんだ。
諦めることの方が、センパイを忘れることの方が難しいんだよ。
「放してくれよ、鹿島先輩!」
「落ち着け。……砂月さん。俺からもお願いします。
砂月さんが知ってること、こいつに話してやってくれませんか」
そう言って、鹿島先輩は頭を下げてくれた。
驚いて、俺もすぐに見習って頭を下げた。
どうか。どうか。
祈るように頭を下げ続けたけど、無慈悲な男の答えは変わらなかった。
「お前に話すことは何ひとつない。
帰れ。二度とここに来るな」
冷たく切り捨てられ、体育館からつまみ出された。
取りつく島もなかった。


