お湯の音にまぎれるような、囁きになったけど。
光太は笑顔を消して。
次の瞬間、私を抱きしめた。
直接肌と肌が触れて。
その感触と熱に、心臓が破裂しそうになった。
「やっと言ってくれた……っ」
「こう、た?」
「この旅行、絶対俺への誕生日プレゼントだよなって思ってたけど。センパイなかなか言ってくんねーし。
だからなかなか俺もありがとうって言えねーし」
「……そっかぁ」
「ずっと言いたくて言いたくて我慢してたんだよ、もう!」
「あはは。ごめんね?」
「もう、ほんと……ありがとう、綾センパイ」
こちらこそだよ、光太。
生まれてきてくれて、私を好きになってくれて、ありがとう。


