「んー。そういうもん?」
光太はぴんとこないみたいだったけど。
それでいい。
これは私自身の為の旅行でもあったから。
「そういうもの。だから光太との思い出がほしくてさ。
それで、光太の思い出の中にも、この旅行を加えてもらえたらなって」
特別綺麗で、楽しい思い出をプレゼントしたかった。
光太がいつか振り返った時、私と過ごした時間が悪い事ばかりじゃなかったって、思ってもらえるように。
「だったらさ、これからもっとたくさん作ればいいじゃん」
「え?」
「思い出。綾センパイは来年卒業しちゃうけど、別にこれを最後にする必要はないだろ?
俺といっぱい楽しいことしてさ、思い出じゃんじゃん作ろうよ」
振り返るのが楽しくなるくらい、たくさん。
そう言って、光太はようやくこっちを見て笑った。
いつもの元気で明るい、私の大好きな笑顔。
泣きたくなった。
だから、笑った。
「光太。誕生日、おめでとう」


