「光太」
「あ、綾センパイ……っ」
慌ててイスから立ち上がった光太は、私を見て湯上りで火照っていた頬をさらに赤くした。
「センパイ、浴衣似合う」
「えっ。あ、ありがとう。
光太も……かっこいいね」
光太は濃紺の浴衣、私は臙の浴衣に、それぞれ半纏を着ていた。
浴衣を着た光太はなんとなくいつもより大人っぽく見えて、でも照れくさそうで可愛くて。
私の胸はどきどきしっぱなしだ。
「俺着方よくわかんなくて。間違ってない?」
「大丈夫。あ、でももう少し襟は合わせた方がいいかも……」
無意識に光太の浴衣に手を伸ばして、襟を合わせようとしたんだけど。
ふと顔を上げたら、光太が耳まで真っ赤になっていて。
釣られて私まで真っ赤になって、ぱっと手を離した。


