「あの、ちょっと綾センパイ?
ここすごすぎない? 金額聞くのこえーんだけど」
「お金は全部先に支払い済みだから大丈夫だよ」
「まじか」
「でも、そうだねぇ。写真以上に素敵な旅館だったなあ」
夢の為にって貯めていたお金を崩したかいがあった。
コートを脱いでハンガーにかけて、光太の分も受け取る。
なんだか光太はダウンを私に渡す時、気恥ずかしそうにしていた。
「大浴場にも露天風呂があるみたいだよ」
「まじか……」
「夕食は部屋食で、朝は個室のお食事処でとるんだって」
「まじか……」
「あ。あと明日は早起きするよ?
熱気球の早朝フライト予約してるんだ」
「まじ……まじか!
すげー気球乗れんの!? やばいちょー楽しみ!」
「でしょー」
よかった。
緊張してたみたいだけど、一気にいつもの光太に戻ってくれた。
短いけどせっかくの旅行だから、リラックスして楽しんでほしいもんね。


