「俺が、先輩の頼みを断れるわけないんですよねぇ」
「由本くん……!」
びっくりして顔を上げたら。
由本くんは困ったように笑ってた。
「中学の時、光太ほど本気で先輩をかばわなかった負い目がありますし。
これくらいじゃ、償いにもならないっすけど……」
申し訳なさそうに言われて、もしかしたら由本くん、ずっと気にしていたのかなと思った。
そんな必要、彼にはなかったのに。
「償いなんて……。そもそもそんなこと、気にしてないよ」
「すんません」
「謝らないで。こちらこそ、私のわがままを聞いてくれて、ありがとう」
「いえ。光太と他の部員には、上手く言っておきます。鹿島先輩はぐちぐち言いそうっすけど」
新入りのくせにって言いそうだね。
そこは光太に、帰ってきてからのしごきに耐えてもらうしかないなぁ。


