「疑うの? でもほんとだよ。
センパイが元気で笑っててくれるのがいちばんだ。センパイを危険にさらしてまで続けたいものじゃないよ。

そんなことになるなら、自分から辞める」


「それはだめ! 絶対だめ!」


「だったら。これからはちゃんと俺に話してよ。
ひとりで悩んで、ひとりで動いて、ひとりで危ない目に遭うのはやめてくれ」



真摯な瞳が私を見下ろす。


私のことが大切だって。

大切で仕方ないって、その目が言っているようで。


涙がこぼれた。



「俺、年下だし。あほだし。頼りないかもしれないけど……。
でも絶対、綾センパイのことは守るから。センパイのこといちばん好きなのは俺だから。だから……」



別れるって言わないで。

俺の彼女でいてよ。