「……あ!」
それは見覚えのあるものだった。
私が昨日まで大切にしていたもの。
赤いスマホにはイヤホンジャックが刺さっていて、小鳥と青い石のチャームが揺れていた。
「これは中学の時、俺が綾センパイにプレゼントしたブックマーカーについてたやつだ」
「……何言ってんの? これはあたしが自分で買ったイヤホンジャックだし。似てるだけでしょ?」
「嘘ばっかついてんじゃねぇよ。付け替えたんだろ?」
「だから……」
「これはハンドメイドの一点ものだったんだ。
何年も前のだし、同じやつも似たやつもねぇんだよ」
光太……。
覚えててくれたんだ。
このブックマーカーのこと。
一点ものだったなんて、知らなかった。
私にとってはずっと、光太がくれたっていう意味で、一点ものだったけど。


