「そいつだ!!」
突然。
低い声が乱入してきた。
私たちを囲む輪の中にいた、鹿島くんだった。
田代くんたちも一緒で、こっちを睨みつけてる。
「砂月さん。その子だって。
体育祭の時、こいつらに声かけてきたの」
「え……?」
「間違いねーよ。靴はどうやったか知らないし、声かけてきた時はメガネかけてたけど、顔は覚えてる。そいつだよ」
田代くんの迷いのない声に、富田さんが小さく舌打ちした。
シンと廊下が静まり返る。
「……証拠は!? ないんでしょ!?
あたしは何もしてない。体育祭とか意味わかんないし。変ないいがかりつけてくんの、やめてくれない?」
「証拠か……じゃあ、これは何だよ?」
光太の手が、富田さんのバッグのポケットに伸びた。
そこに入っていた赤いスマホを取り上げて、光太はそれを彼女の目の前にかかげて見せた。
何かが揺れて、キラリと光る。


