「ふざけた噂だなーと思ったんだけどさぁ。もしかして、ほんとに何かあった?」
「うーん……何て説明したらいいのかな……」
体育祭で倒れた時も、みちるには準備室に閉じこめられたことは話してなかった。
じゃあどうして鹿島くんと一緒にいたのって、聞かれたら困ると思って。
でも、みちるにだけは、ちゃんと説明しておいた方がいいのかもしれない。
光太はもう、知ってしまったし……。
「あのね」
「綾センパイ!!」
「え……光太?」
聞き間違えるはずはない。
光太の声が、3年の階に響き渡った。
光太? どこ?
人の多い廊下の向こうから、光太がこっちにズンズンと歩いてきていた。
その隣りには、ショートボブの女の子、富田さんがいて。
光太は、彼女の腕をつかんでいた。


