忍くんの深い溜息が落ちて来て、手をつかまれた。
「行くぞ、綾。教室まで送る」
「え。でも、忍くん」
「お前は俺が守るから」
わざと、光太に聞こえるように言ったとしか思えないセリフ。
この時の忍くんの恐い顔を見て、ようやくわかった。
忍くんは、怒ってたんだ……。
俯く光太にかける言葉が見つからないまま、忍くんに連れられその場を離れた。
私の手を引くこの力強さも、忍くんの優しさだけど。
私は優しくされるより、後ろで立ち尽くしてる、光太に優しくしてあげたかった。
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