「綾!! しっかりしろ!!」
抱き起こされて頬を叩かれて、鉛みたいに重くなった瞼を、なんとか持ちあげた。
霞む視界に、誰かが映る。
「綾!! 大丈夫か!? 俺がわかるか!?」
「あ……しのぶ、くん?」
「何やってんだよお前は! こんなに……冷たくなって……」
温かい身体に強く抱きしめられてほっとした。
ぬくぬくだぁ。
気持ち良い……。
「おい! 寝るな綾! また貧血か!?」
「まずいですか? いま救急車を……」
「いえ。俺がこのままかかりつけの病院まで運んだ方が早いです」
「じゃあ先に病院に連絡だけでも」
「お願いします!」
忍くんの他に、誰かいる?
どうでもいいか……。


