「……なんて。そんなの、あの子が光太に何か言ったに決まってる……」
ガンッ!
思いきり窓ガラスを叩いた。
じんと手が痺れただけで、ガラスにはヒビひとつ入らない。
割れてくれれば良かったのに。
ガラスが手に刺さっても良かったのに。
窓が割れれば、私は叫べた。
光太の名前を呼べた。
もう、届かない。
脚立を降りて、膝を抱える。
暗い。
暗くて寒い。
ぐるりと見渡してみたけど、電気やエアコンのスイッチは見当たらなかった。
外付けなのか、もしかしたらリモコンでもあるのかもしれないけど。
もう探すのも億劫だった。
身体が少しだるい。
目の奥の方が、頭痛みたいにズキズキ痛む。
また貧血かもしれない。


