「行くよ」
「待ってよ」
「ほんとにこのままに……」
あ! 行っちゃう!?
焦ってドアをガンガン叩いた。
「待って! 開けてってば!
ねぇ、開け、ひゃあっ!?」
ドアの細い擦りガラスから差していた明かりが突然消えた。
向こう側の照明が落とされたんだ。
すぐに扉を閉める音と、さらに鍵のかけられる音がして、ドアを叩くのを止めた。
こんなことしても、あの子が開けてくれるわけないし……。
「はあ。……ここ、資料室?」
確か図書室の奥に、図書委員しか入れないそういう部屋があったはず。
学校の歴史とか、大事な資料がたくさんあるって聞いたことがある。
そういう資料を日焼けから守る為に、窓も小さいのかな。


