ピーッと笛が鳴って、光太のクラスと、由本くんのクラスのメンバーがそれぞれ中央に移動する。
その途中で、
「綾センパイ!」
光太が私に気付いて、パッと破顔した。
「おっせーよ、センパイ!」
「ごめんね。光太……」
「何泣きそうな顔してんの? 俺勝つから、見ててよ!」
おもむろにジャージを脱いで、光太はバサリと、私にそれを投げてよこした。
一瞬で、光太の香りに包まれる。
「持ってて!」
元気よく言って、光太は整列しているクラスメイトの元に駆けて行く。
その背中に、羽が生えているように見えた。
「光太くん、かっこいいね」
「……うん」
ジャージを抱きしめて、何度もうなずいた。


