動悸と息切れも治まらない。
気を失うのだけは避けたいけど、いったいどうしたらいいの?
誰か、誰か……。
遠ざかる意識の中、祈るようにそう繰り返していたら。
微かな足音と話し声が聴こえた気がして。
人が来た……?
そう思ったのに身体が動かない。
気のせいなんかじゃなく、音はどんどん大きくなってきて。
「おい? なんだよ、こんなとこ連れて来て」
聞き覚えのある声と、複数の足音が、すぐ傍の教室から響いてきた。
「いいからいいから」
「はあ? 押すなって、おいっ」
カチャリ。
ドアの鍵があけられた音のあと。
私がどんなにがんばっても開けられなかった扉が開かれた。


