笑うどころか、表情が消えたのが自分でもわかって。
そんな私に、光太が気付いたのもわかった。
「綾センパイ」
「……なに」
「今日さ、久しぶりに一緒に帰ろうよ。送るよ、俺」
3年になってから受験のための特別講習が入ってきて、2年の光太とは帰る時間が合わなくなった。
女の子たちをはべらせて帰っていく光太を、いつも教室の窓から見ていた。
ただ、見てるだけだった。
「ね? 待ってるから」
そう言って無邪気な笑顔を見せた光太が、なんだか中学の時の光太に戻ったように見えて。
私はレモンスカッシュの泡に目を落としながら、小さくうなずいた。


