「待って待って。センパイ、何怒ってんの?」
「怒ってないよ!」
「怒ってるじゃん」
むっとしながら、光太がスマホをポケットにいれる。
「そう思うなら映画行くのやめてよ」
「はあ? 映画? 何で」
「何でって……」
「一応前から約束してたことだし行くよ。ドタキャンとか最低じゃん?」
「あのねぇ! ……もうっ」
こんなことくらいで怒ってちゃだめだ。
ゆっくり行くって決めたんだから。
光太はばかだから、何が悪いのか全然わかってないだけ。
悪気があるわけじゃないのはわかってる。
だから余計イライラするんだけど……。


