「んー。クラスの奴と今日映画行く約束してたんだよね。
だから今日休みかって確認のLINE来た」
「そう、なんだ……」
「あ。で、綾センパイ何か言いかけてなかった?」
聞きながらスマホいじんないでよ。
光太は人と話す時、恐いくらい真っ直ぐ目を見てくる奴だった。
でもいまは液晶画面に落ちたまま。
片手間の会話なんて、する意味あるのかな。
「……その約束って、あのショートボブの子?」
「え? なに?」
「……何でもない。じゃあねっ」
光太が顔をあげないうちに、背を向ける。
でもすぐに伸びてきた腕に捕まった。


