「……のっ!莉乃ってば!」 「え!?……うわっ」 急に目の前に現れたお母さんのドアップに驚いて、ひっくり返りそうになった。 「なに?失礼な子ね、人の顔見て驚くなんて」 「うん、ごめん……」 普段なら言い返すところだけど、今はそんな気力もない。 さっきのシロー君の話が衝撃的過ぎて、胸が締め付けられて苦しかった。 シロー君 私、まだ信じられないよ。 ねぇ 今からでも遅くないから ウソだって言って笑ってよ。 今ならまだ笑って許してあげるから。 だからお願い、ウソだって言って。