握り締めた拳が震えていた。 全身から、汗が大量に吹き出して気持ち悪い。 まさか、本当にそんなことが……。 莉乃の腎臓が俺に移植されただなんて、どう考えてもありえない。 だけど、莉乃の命日と、俺が手術を受けた日が一緒だったこと。 幸か不幸か、莉乃が搬送された病院は俺が入院している病院だった。 いやいや、冷静になれよ。 ありえないだろ。 でも……。 どっちつかずな考えが頭の中をぐるぐる巡る。