ニコッと笑う姿は愛嬌があってかなり可愛い。 「シ、シロー君の絵本?」 「うん!ここで絵本を読んでくれるの」 人懐こい笑顔を浮かべながら、その子はいきなり私の手を掴んだ。 「おねえちゃんも一緒に行こうよ!」 「えっ?」 有無を言わさず引っ張られどんどん奥へ進む。 「ちょ、ちょっと待って」 えー……!? 絵本……? 行くなんて言ってないけど、楽しそうにしてるから嫌とは言えない。 さすがにこの年で絵本はないよね。