「はいはーい、わかりましたよ〜」 「お、やけに素直じゃん。えらいえらい」 クスッと笑って宮下さんは私の顔を覗き込んだ。 「針刺すからね。チクっとするよ」 「ううっ、はーい……」 点滴だけは嫌だ。 毎日朝と夜に2回も針を刺されるんだよ。 痛いし。 腕中内出血だらけで青アザがすごいんだ。 まるで殴られたみたいになってる。 「夏休みの宿題は進んでる?」 刺し終えた後、体を強張らせる私に宮下さんが優しく言う。