「落ち着いた?」 「うん……っ。ありがと」 頃合いを見計らって瑠璃が聞いて来る。 そして体を離した。 教室には誰もいなくて静寂が漂っている。 「たもっちゃんと言ってたんだけど」 私の顔色をうかがいながら瑠璃が口を開いた。 胸が痛いのは消えないけど、涙はすっかり止まっている。 「莉乃達、絶対両想いだよ!」 力強い瑠璃の瞳を見て、冗談や慰めで言ってるんじゃないってことがわかる。 「昨日の結城君の態度を見て私も確信した。だからハッパかけて帰ったのに……」