バスを降りて入口へ向かう。 周りは山ばかりで、蝉の声が耳にキンキン響く。 そんなに離れていない場所なのに、ここだけ空気も澄んでて美味しい気がするし、パワーをもらえる気がした。 「なんかいいね、自然の中にいるのって」 木々の間から差し込む日差しに目を細める。 緑がキラキラ輝いているように見えた。 閉鎖された空間よりも、解放的な気持ちになってすごく癒される。 病院にばかりいたらおかしくなりそうだって言ってたシロー君の気持ちが、今ならよくわかる。