「降りよう」 繋がっていない方の手でシロー君のジャケットの裾を軽く引っ張る。 「科学館前か。ここに行くんだ?」 興味深そうに、目の前にある球状の大きな建物を見上げるシロー君。 「うん!プラネタリウムだよ」 「へぇ、面白そう」 「でしょ?私も初めてだから楽しみなんだ」 良かった、シロー君がそう言ってくれて。 気に入ってもらえなかったらどうしようって、本当はちょっと不安だったから。