駅の駐輪場に自転車をとめて、待ち合わせ場所である大きな時計台の下に向かう。 待ち合わせ10分前。 シロー君はまだ来ていないみたい。 昼間だけど、待ち合わせスポットだからなのか人が多い。 「莉乃」 じわじわ浮かぶ汗を、ハンドタオルで拭おうとカバンから取り出した時、優しく名前を呼ぶ声が聞こえた。 ドキッ 「シ、シロー君」 わわ、来た! 颯爽と現れたシロー君は、太陽の光に目を細めている。 病院で見る姿とはまた違って、なんだか新鮮で。 いつもよりドキドキした。